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雨にぬれても

その時々の心の残ったものの記録が主な内容になるかと思います。音楽に関する話が多くなりそうです。

”希志あいの”という女性

 ”希志あいの”というAV女優に関する僕の認識は、「かわいい」「使える」以上でも以下でもなく、其れ故熱心なファンでもなかった。

 世間での評判がどうだったのかについては全く知らないのだが、8月末頃から僕のtwitterのタイムラインで「スキャンダル ナンパお持ち帰りされた希志あいの 盗撮映像そのままAV発売!」という作品の話題が散見されるようになり、興味を持って観たのが9月4日。

 その日を境に、僕の中での”希志あいの”というAV女優、いや、”希志あいの”という女性に対する認識が大きく変わってしまった。今更、「熱心なファンになった」などと言うつもりはない。しかし、彼女のことを一人の女性として意識せざるを得なくなった。この作品は、間違いなくそういう力を持った作品だった。

 

--------------------以下ネタバレも含む--------------------

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  本作を語る上で避けては通れないのが「ヤラセかガチか」である。

売れっ子単体女優というポジション、メーカーの規模、倫理・法律面を考えた上での企画の成り立ち等々を考えれば、9割方ヤラセであると捉えるのが自然な向きではあるが、残り1割の可能性をどうにも捨てきれないだけの説得力が作品に備わっているのが本作の恐ろしいところだ。

彼氏(ハヤシ)との初めての夜を前にお互いシャワーを浴びることになった場面で、覚悟を決めるかのように一瞬正座をする希志あいの

心を許した相手の行為のみに感じるとされる「くすぐったい」という感覚をハヤシとのセックスの最中に何度も口にしていた希志あいの

ネタバレ後の黒田(AV男優)との絡みの中で、ハヤシを「早漏」と馬鹿にする黒田に対し、「早漏でもいいもん…」と口にする希志あいの

ハヤシの陰茎を馬鹿にする黒田に構うことなく、最後の最後までハヤシの陰茎を大切に扱う希志あいの

もちろん、こういった事も加味した上で脚本が書かれた可能性もあるのだが、ここまでの精度で脚本を書けてしまったとしたら、本作がガチで撮られた場合と同等に恐ろしいことのようにも思える。

 

 本作が「アダルトビデオとして実用的か?」と問われると、僕にとっては”否”である。性欲を押しのけて様々な感情が湧き上がってくるからだ。

 そして、本作を観ることで、一般的なアダルトビデオが如何に性欲のみをピンポイントで刺激し、マスターベーションに最適化された構造で作られているのかがわかってくる。 そちらもそちらで過去何十年のノウハウが積み重なった物であり、とても文化的なものだと思う。

 しかしながら、それでも本作の持つ強烈なインパクトには心を奪われてしまう。

 AV女優も、普通に恋をして、普通に手を繋いで、普通にキスをして、泣いたり笑ったりする。その事実だけが強烈に突きつけられる作品だった。